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「美しいもの」が好きだ。

嫌いなもの、醜いもの、見たくもないものを眺めるよりは、美しいものだけを見詰めて生きて行く方がいい。「美しさ」の概念は人によって異なるので、自分の眼で見て、耳で聞いたもの以外は信用出来ないけれど。だがその価値観を他人に押し付けるのは嫌いだ。押し付けられるのはその数億倍嫌いだが。

美術や音楽に関わらず、自分を取り巻く環境を創り出すもの。家具の選び方、趣味、服装、雰囲気、髪型だってそうだ。それらは全て自らの美意識によって成り立っている。「自分」という鎧を纏って自己を守る為に。己の世界観を相手に伝えやすくする為に。だから好きなものを掻き集めて、要塞を造るんだ。

自分にとっての「美しさ」とは、確かに言葉通りの「美」も重要要素だが、そこにほんの少しの狂気がなければ成立しない。見た目に綺麗なもの、ただキレイなものは、一瞬で飽きられる。美しさの中の異物、微量の醜さが大事なのだ。私が心から好きなものたちは、確実にそれぞれの狂気を内に抱えている。

自分には自信というものが全く無く、常に他人からの評価を気にしてしまう癖がある。でもひとつだけ、たったひとつだけ私が私で良かったと思える事がある。自分の持つ「美の基準」だ。自分自身には自信が無くとも、自分が好きになったもの、それらに関しては絶対的な自信がある。

審美眼だけは最上級のものを持ち合わせていると思う。良いものを見抜く能力、そして自分の好きなものに自信を持てる事。それらが備わっているだけでも私は幸せ者だろう。完全なる自己満足だけどね。

後はその審美眼を駆使して、自分の世界を上手く表現出来ればいいんだけど。もう少しなんだけどな。まだまだ未熟だわ。

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